2011年5月

 「春の小川」Walking

2011.5.22.

春の小川Walking

<記録その1>

 よく晴れた春の日。朝、9時に小田急線・南新宿駅に集合いたしました。この日は唱歌「春の小川」のモデルとなった河骨川(こうほねがわ)の水源地をスタートにして、暗渠となってしまった川の上を歩いてみよう・・・という企画でした。今年大学1年生~古希のメンバーというまさしく老若男女の集団は、なぜかその場で配給されたトマトを片手にえいえいおーと歩き始めました。河骨川の水源地・旧山内公爵邸跡地を後にして、小田急線を南下。春の小川の碑を後にして、向かったのは明治神宮。(ここまでで既に1時間以上経過)上の写真のように明治神宮の中には水が湧き出ているところが11箇所あるとのこと。もちろん、最近パワースポットとして有名になった加藤清正の掘ったと伝えられる井戸、清正井も明治神宮の中にあります。明治神宮の中をぐるっと回り込んで、もう駄目だといわんばかりに神宮内のレストランへ。ビール片手に昼食を食べ、さて、出陣。

 明治神宮を出て、原宿方面へ。ブラームスの小径は、かつての川の流れの跡。ゆるやかなカーブが非常にここちよいリズムを感じさせます。そして表参道からキャットストリートへ。この道はブラタモリでも紹介されていましたが、川幅の大きな川にそのままフタをかぶせて下水となったところです。上の写真のように曲がった感じがいかにも川の流れを彷彿させてくれます。この若者たちは果たしてこの道がなんであったのかは知らないことでしょう。

 その後、渋谷駅を経て、開渠になっているところまで歩いて解散。もうこの日はへとへとで、開渠となっているところから下流へは進めませんでした。次回は続きを歩こう!(いつ?)





 <記録その2>

10時、小田急線南新宿駅集合。初夏の日差しが燦々。JR新宿駅南口と間違えていた人、私の他にも1名。危ない、危ない。でも全員揃い、自己紹介。松井さんの知合いの山内さんは山内公爵邸の親戚筋というのがわかって、全員「お~!」。初対面にも関わらず、すぐに名前が刻み込まれました.

 歩き始めてすぐ、2階から椅子に座って我々に手を振ってくれるおじいさんと出会う。ん。何か昔の渋谷川のことを知っているかもしれないなと窪田さん。「この前の通りはどぶ川だった。渋谷川はもっと向こう」えっ、今歩いているこの道もどぶ川だった?ずいぶんあちこち川が流れていたんだ----。

 渋谷川の源の一つが旧山内公爵邸の池だったが、古い地図で見る広大な旧山内公爵邸跡は見る影もない。刀剣博物館の前の通りの窪んだところが水源だったとは、説明を受けても分からないくらい変わってしまっている。でも昔のお殿様がいたところだから、侍が沢山住み、それが刀剣博物館となって残っているのかな。近所には刀鑑定の看板のかかっているところもいくつかあったし。

 切り通し坂では、ここを描いた岸田劉生の絵の写真を石井さんが見せてくれる。岸田劉生がこの絵をここで描いているのを子供の頃見た、という人からもインタビューできて、映像におさめてあるとのこと。絵からは坂が今よりかはずっときつかったよう。ここは切り盛りしてある、この両坂のマンションは地震の時、危ないぞと建築や土木の人がつぶやく。かっこいいマンションの住人はそんなこと知らないだろうな。

 「春の小川」電柱は広告主の「渋谷川ルネッサンス」の文字の上に白いテープ状のものが貼られ、見えなくされている。この騒動は決着をみないままで、そのおかげでか、「春の小川」電柱は広告主「渋谷川ルネッサンス」がないまま、今も健在なり。

 暑かった渋谷川ウォクーも神宮の森に入ると涼やかな木陰と気持ちいい風にホッとする。渋谷川の源流の一つ、北池に注ぐ流れの源は枡形の小さなコンクリート。我々が行った時は水面は静かだった。村川さんが時間がたつと沸き出してくるのよ、と言ったとおり、しばらくすると水がぼこぼこ沸き出して来た。どうしてなんだろう。水道の栓をひねっているのではないと思うけれど-----。この小さな流れに沿って行くと、赤い実をいっぱい付けた木があった。周藤さんの「食べられる」との太鼓判で口に含むとしっかり熟した実は上品な甘さと酸っぱさが混じっておいしかった。周藤さん、この木はグミでしたっけ?

 あちこち寄り道が多いものだから、祥子隊長の予定より大幅に遅れ気味。それに疲れて来たし、お腹もすいて来た。明治神宮の休息所でお昼。ちなみに明治神宮は隊長が去年挙式した思いで深いところ。ビールも飲めた男性陣は、これで又歩けると元気を取り戻す。清正の井は時間がなくカット。でも、恵比寿迄行くのは無理か?

 今日の渋谷川ウオークを1部と2部に分けるか?とのささやきも出たけれど、隊長はまたこの次というとなかなか難しいから、時間はオーバーしても恵比寿まで行こう、とみんなを引っ張る。神宮の森では可愛い清らかな流れだった渋谷川は神宮を出たとたん、原宿からブラームス通り、キャットストリートと都会の喧騒にまぎれる。夕方から雨という予報が嘘のようだった青空が、天気予報ってやっぱり当たるんだと思わせる雲行きになってきた。渋谷駅近くでポツっ。

 隊長が、今日は渋谷川が顔を出す渋谷駅の稲荷橋のところまで行って、解散と宣言し、ぽつりぽつりの雨を気にしながら、疲れた足を速める。ついに来たぞ、稲荷橋。そして流れのない渋谷川にびっくり。雨の少ない時にはこんなことあるんだろうか?長い間来なかったけれど、以前は茶色っぽい流れがあったのに-----。なにはともあれ、今日の渋谷川ウォークは終了。12時解散予定が15時になった。疲れたけれど、面白かった。

 皆様お疲れさま。瀧花隊長、お世話様でした。ありがとう。恵比寿のラーメンは食べられなかったけれど、それは次回の楽しみに。そして、河口迄歩こう、という意見が出て、それはいい、いい、歩こう、とみんなその気になった。例会であ~じゃこ~じゃと議論百出も面白いけれど、やっぱり現場は大切。歩くことによって、色々な発見があったり、感じることがあったり。それぞれ大きな収穫と満足感を胸に、疲れた足取りで帰路についたのでした。

おしまい。