2020年1月 

渋谷川復活?

ロンドンリオンピック、北京オリンピックではメインスタジアム周辺に水と緑のある空間

  を作りました。ロンドン市は、7/23にLondon National Park Cityを宣言。自然に囲まれた国立公園都市となることを宣言しました。

   日本人は自然の恵みと畏れを受け入れ、共生という考え方をしてきました。江戸を訪れた外国人は公園の中に都市があるPark Cityだとし、称賛しました。異常気象や環境汚染問題等の広がりの中、日本が世界に発信すべきメッセージは、日本が本来持っていた自然とともに生きるという、「共生」というメッセージではないでしょうか。

   唱歌「春の小川」に歌われた風景を大切に思う心を思い起こし、100年後の時間を想像して造成された明治神宮の杜に学び、あと15年で九州と四国に住む人がいなくなく規模の人口減少の中、子々孫々に誇りを持って残せる都市づくりが出来る最後のタイミングであることを担わされている我々が何をすべきなのか、真剣に考えるべきです

神宮外苑は国民の寄付金で造られたという歴史的経緯がありながら、当初から国民の意見が全く反映されないまま進められた国立競技場建て替え。JSC(日本スポーツ振興センター)は、樹木約15,000本を伐採し、報道用車両の駐車場確保の理由から森と水の空間をなくす形でオリンピックを迎えようとしています。

   杜のスタジアムというコンセプトであれば、周辺の新宿御苑、明治神宮を見ればわかるとおり、水(御苑の池、神宮の清正の井戸など)と土がないと木は育たず、杜にはならないことは小学生でも知っています。

   未来の地球を見つめて次の世代に引き継ぐべき都市づくりの思想という観点からも、2020年オリンピック・パラリンピックの開催が大きな転機となり得ることは間違いありません。

   そこで私達が世界に向けて発信すべきメッセージは、「報道用車両のため、自然よりもアスファルト舗装を選択しました」ではなく、次世代と地球環境のこれからを考え・憂い、「なくなってしまった川を再生し、土と緑の土地を選択しました」ということではないでしょうか。

   今ならまだ間に合います。みなさんの賢明な選択を期待します。